『従業員をやる気にさせる7つのカギ』(日本経済新聞出版社)
従業員をやる気にさせるには、一体どうしたら良いのか。
実は稲盛さんによれば、
従業員を仲間として迎え入れる時が、
やる気が高まるか否かの大きなポイントが隠されていると言います。
それは、どういうことか。
稲盛さんは従業員を迎え入れる際、
単なる雇用契約に基づいた労使関係ではなく、
自分と一心同体となって仕事をしてくれるパートナー、
共に経営の責任を担う共同経営者として、従業員を迎え入れるべし
と本書で説くのです。
「それは押し付けになるのではないか」
「そこまで求めて良いものだろうか」
「従業員を共同経営者として見るなんてムリ」
などなど、疑念が頭に浮かんだ方々も多いのではないか、と思います。
しかし、稲盛さん曰く、
自分が相手を「どのように見るか」が相手のやる気に大きく影響する、というのです。
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稲盛さんの事例を『7つの習慣』で読み解くと
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これは「7つの習慣」に寄せて考えれば
「どういうパラダイムで物事を見るか」ということにつながってくるでしょう。
自分が持っているパラダイムが
相手のやる気に多大なる影響を与える、ということです。
著作『第8の習慣』の中でコヴィー博士は、
現代のマネジメントは前時代的手法の延長線上にあり
人間の本質を理解せず、人をモノのように扱い、マネジメントしてしまうせいで、
従業員のやる気や才能、素質を引き出せず、活用できていないのではないか、と分析します。
現代のマネジメントが機能不全に陥るのは
人間の本質、つまり「我々は何者か」という問いに対するパラダイムが不完全だからだ
と指摘するのです。
コヴィー博士によれば、
人間には下記4つのニーズがあると言います。
・生きること
・愛すること
・学ぶこと
・貢献すること
そして、これらのニーズを全般的に満たしていくことで
従業員は主体的に行動し、自らコミットして仕事に参画するようになる、と言うのです。
稲盛さんもコヴィー博士も共通するのは
経営者側が従業員を「どう見るか」「どう扱うか」。
言い換えれば、
「パラダイム」が相手のやる気やモチベーションに直結する、ということでした。
読者の皆さまは、従業員の方々をどういう存在として見ているでしょうか?
いちスタッフとして見ているのか。
部下として見ているのか。
それとも、自分のパートナー、
共同経営者として見ているのか。
このことを問い直すことが、従業員のやる気を引き出す大きなカギになる。
稲盛さんもコヴィー博士もこうおっしゃっているのではないでしょうか。
それでは、今回はここまで。
次回もまた、『従業員をやる気にさせる7つのカギ』をテーマにした動画をご紹介します。
■「従業員をやる気にさせる7つのカギ」vol.1
鹿児島大学「稲盛アカデミー」で、生前の稲盛和夫氏から直接、指導を受ける。
その後、盛和塾所属経営者の人材育成研修会社で人材育成マネジメントに関するコンサルティング、コーチング、研修提供を10年以上担当する。
「7つの習慣アカデミー協会」代表理事・斎東亮完と出会い、法人研修講師、協会認定コンサルタントとしても活躍中。
暖かい人柄と、豊富な人材育成研修の経験から、管理職研修、新人研修などの階層別研修から、企業理念・教育制度・人事制度構築などをすすめる、「人づくり」の専門家です。