今回ご紹介する 稲盛和夫さんの著作

『従業員をやる気にさせる7つのカギ』(日本経済新聞出版社)

https://www.amazon.co.jp/dp/4532319110

 

前々回、前回のメールでご紹介した動画では

7つのカギのうちの

 1番目「従業員をパートナーとして迎え入れる」

 2番目「従業員に心底惚れてもらう」

という内容をご紹介してきました。

 

そして今回ご紹介するカギは「ミッションを確立する」

それでは、詳しく見ていきましょう。

 


 

稲盛さんは、ご自身の経営経験の中で

「ミッションを確立する」ことが組織にいる従業員のモチベーションを高める上で非常に重要だ

と考えられています。

 

京セラの企業理念は、こんな一節から始まります。

全従業員の物心両面の幸福を追求する

 

しかし、これは最初からあったわけではなく、

稲盛さんが京セラを創業して2年目に起こった「ある事件」がきっかけだったそうです。

(この「事件」の詳しい内容は、ぜひとも動画でご確認いただければと思います。)

 

 

元々、稲盛さんは京セラ創業の目的を

「稲盛和夫の技術を世に問うため」と位置づけていたのだそうです。

 

しかし、「ある事件」をきっかけに

従業員の生活を守ることが会社の目的だ稲盛さんは思い至ったのです。

 

実は京セラの経営理念、全文はこうなっています。

全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、

人類、社会の進歩発展に貢献すること

 

もし、京セラの経営理念が「稲盛和夫の技術を世に問うため」だったとしたら、

従業員たちはどう思うでしょう。

 

稲盛さんの技術や稲盛さんを有名にし、

稲盛さんの資産を増やすために働いているのか、と思うかもしれません。

 

「会社の目的が個人の私利私欲に帰結するような企業で

 従業員のモチベーションが高まるはずがありません」

 

稲盛さんは本書の中で、こう断言されています。

 

もちろん、創業者の想いは大切です。

しかし、従業員とともに幸せになっていけるミッション、理念、使命、ビジョン企業には必要だということでしょう。

 

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稲盛さんの事例を『7つの習慣』で読み解くと

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フランクリン・コヴィー博士は、『7つの習慣』の中で

「終わりを思い描くことから始める」を第2の習慣として挙げています。

 

これは言い換えるならば

自分のミッション、使命を明確にすること

 

書籍の中でも自らのミッションを

「ミッションステートメント」として言語化することを実践しようと書かれています。

 

自分が人生で成し遂げたいことや

生きているうちに実現したいこと、

あるいはどんな人生を送りたいか

どういった命の使い方をしていくかを明確にする。

 

「終わりを思い描くことから始める」ことで

自らの思考や行動、優先順位が決まる、とコヴィー博士は指摘しています。

 

これを組織に置き換えるならば、

組織・企業としてのミッション、ビジョン

つまり「終わり=ゴール」を明確に定めて

そこに向かっていくことが重要だということです。

 

そして、そのゴールは、

私的成功(自分だけの成功)にとどまるゴールか、

公的成功(より多くの人の成功)に関わるゴールか。

 

もちろん、

より多くの関係者が共感・同意するようなビジョンやミッションであることが、より高い効果性をもたらします。

 

さらに、コヴィー博士は「7つの習慣」の中で、こう説いています。

 

参加しなければ決意なし

 

組織のミッション・ステートメントを作るには

メンバーの参加と共感が欠かせない

コヴィー博士は力強く説明しているのです。

 

つまり、稲盛さんもコヴィー博士も

従業員のモチベーションを高めるには

組織としてのミッションを明確にし、それを共有することが欠かせないと考えておられたのです。

 

それでは、今回はここまで。

次回もまた、

『従業員をやる気にさせる7つのカギ』をテーマにした動画をご紹介していきます。

 

 

「従業員をやる気にさせる7つのカギ」vol.3

一般社団法人「7つの習慣アカデミー協会」認定コンサルタント 廣瀬 公尚(ひろせ まさなお)

鹿児島大学「稲盛アカデミー」で、生前の稲盛和夫氏から直接、指導を受ける。
その後、盛和塾所属経営者の人材育成研修会社で人材育成マネジメントに関するコンサルティング、コーチング、研修提供を10年以上担当する。

「7つの習慣アカデミー協会」代表理事・斎東亮完と出会い、法人研修講師、協会認定コンサルタントとしても活躍中。

暖かい人柄と、豊富な人材育成研修の経験から、管理職研修、新人研修などの階層別研修から、企業理念・教育制度・人事制度構築などをすすめる、「人づくり」の専門家です。

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