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今回ご紹介する稲盛氏の著作は
『心。』(サンマーク出版)
https://www.amazon.co.jp/dp/4763132431
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今回ご紹介する書籍『心。』には、稲盛さんが多くの人に伝えていきたい「唯一のこと」を書き記した、と言います。
稲盛さんが伝えていきたい「唯一のこと」とは何か。書籍を通して、「稲盛経営哲学の本質」に迫ります。
同時に、リーダーシップが体系化されている「7つの習慣」への理解の深化と、活用のヒントになれば幸いです。
2019年に出版された『心。』は、稲盛さんの著作の中では比較的新しい部類に入る著作です。
本書は、稲盛さんが80年以上生きてきて、多くの人に伝え残したい「唯一のこと」を書き記した本である、とあります。
あれだけの大成功を収められた著名な経営者である稲盛さん。
その稲盛さんが多くの方々に伝えたい唯一のこととは、一体何か。
それは「心が全てを決めている」。
このことだと稲盛さんは言います。
これは浅はかな精神論でもなければ、役に立たない人生訓でもない。
「心が現実を作り、動かしていく」
「全ては心に始まり、心に終わる」
これこそが、80年以上の人生で体得した、より良く生きるための極意だと言うのです。
このことを、稲盛さんは、ご自身が子どもだった頃の逸話をはじめ、
KDDIを立ち上げた時、さらには、JALの再建に携わった時のエピソードを交えて紹介してくださいます。
そして、これは「7つの習慣」の考え方に照らし合わせてみるならば
「インサイドアウト」と「パラダイムシフト」
この2つに相通じるテーマです。
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稲盛さんの事例を『7つの習慣』で読み解くと
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「インサイドアウト」とは、自分の内側から始めるということです。
自分の内面の最も奥深くにある、パラダイム、人格、そして自分の動機を見つめることから始める。
「7つの習慣」では、こう説明されています。
稲盛さんが言う「心」とは、「7つの習慣」に引き寄せて考えると
物事の見方やパラダイム、人間の人格、そして何かに取り組む時の動機など、
「内面世界」を総称しているものと言えます。
稲盛さんは、
目の前の出来事は全て、自分の心が引き寄せたものだと言います。
それはまるで、映写機がスクリーンに映像を映し出すかのように、心が描いたものを忠実に再現するのだと。
「7つの習慣」では、
私たち人間は「世界をあるがままに」見ているのではなく、「私たちのあるがままの世界」を見ている。
大きな変化を望むのならば、私たちは自分たちの中にある内面のパラダイム(思考パターン・思考の癖や思い込み)を
変える必要がある。
と説いています。
目の前の現実や出来事、自分の人生を大きく変化させたいのなら
自分の中にある物の見方、あるいは、その見方の土台になっているものを変えなくてはならない。
その「土台」を「7つの習慣」では「パラダイム」と表現しているし、稲盛さんは「心」と言い表している。
そう考えると、『心。』で稲盛さんが伝えたかった「唯一のこと」。
「心が現実を作り、動かしていく」
「全ては心に始まり、心に終わる」
このことと「7つの習慣」で表現していることは本質的に同じであり、瓜二つとも言えます。
「7つの習慣」にある
「パラダイムシフト」や「インサイドアウト」を補助線にしながら、『心。』を読んでいくと
稲盛さんの真意が、さらに深く理解できるようになるのではないでしょうか。
それでは、今回はここまで。
次回は引き続き『心。』をテーマにした動画をご紹介します。
■「心。」前編
鹿児島大学「稲盛アカデミー」で、生前の稲盛和夫氏から直接、指導を受ける。
その後、盛和塾所属経営者の人材育成研修会社で人材育成マネジメントに関するコンサルティング、コーチング、研修提供を10年以上担当する。
「7つの習慣アカデミー協会」代表理事・斎東亮完と出会い、法人研修講師、協会認定コンサルタントとしても活躍中。
暖かい人柄と、豊富な人材育成研修の経験から、管理職研修、新人研修などの階層別研修から、企業理念・教育制度・人事制度構築などをすすめる、「人づくり」の専門家です。