『誰にも負けない努力』(PHP研究所)
リーダーシップを発揮する上で最も大切なことは何か。
稲盛さんは「強い願望を持つこと」だと
本書で述べています。
素晴らしいリーダーとはその集団のあるべき姿を描ける人であると、
稲盛さんは説きます。
あるべき姿とは「理想像」であり、同時に「目標」でもあります。
それも単なる数値目標だけでなく今年や来年、さらに中長期の目標、
さらにはメンバーのモラルや士気、生活態度まで含まれると言います。
そして、リーダーはこういったあらゆる面で
あるべき姿、目標を持つべきだと言います。
しかも抽象的ではなく、実際に行動できる
具体的な目標を指し示すことが大切、と説明しているのです。
さらに、目標を達成するための
手段が必要だと稲盛さんは言います。
リーダーは目標達成のためにあらゆる方法・手段を具体的に考える。
しかも一度考えるだけではなくて何度もシミュレーションをし尽くす。
それがリーダーの役割だと稲盛さんは考えておられたようです。
そして、考え続けているうちに結果が見え、
達成を喜ぶ場面までが想像できるようになる、と言うのです。
理想を描いて終わり、イメージして終わり、
目標を立てて終わり、手段を描いて終わり。
そうではなく、実際に取り組んでいって結果がどうなるか、
達成して喜ぶシーンを想像できるまで繰り返し考える。
この境地こそが、稲盛さんの言う「強い願望を持つこと」なのです。
ここまで徹底して描くことができれば
リーダーは仲間たちにビジョンや方向性を
自然と示すことができる、と言うのです。
いかがでしょうか。
稲盛さんが言う「強い願望」がどれほど徹底されたものかが
お分かりいただけたのではないでしょうか。
次回のメールではこの稲盛さんの考え方が
『7つの習慣』の著者であるコヴィー博士の思想とどう繋がるかを
ご紹介したいと思います。
ぜひ、お楽しみになさってください。
今回の動画は、こちらから。
■「稲盛和夫の実学―経営と会計」vol.1
鹿児島大学「稲盛アカデミー」で、生前の稲盛和夫氏から直接、指導を受ける。
その後、盛和塾所属経営者の人材育成研修会社で人材育成マネジメントに関するコンサルティング、コーチング、研修提供を10年以上担当する。
「7つの習慣アカデミー協会」代表理事・斎東亮完と出会い、法人研修講師、協会認定コンサルタントとしても活躍中。
暖かい人柄と、豊富な人材育成研修の経験から、管理職研修、新人研修などの階層別研修から、企業理念・教育制度・人事制度構築などをすすめる、「人づくり」の専門家です。