今回ご紹介する 稲盛和夫さんの著作

『稲盛和夫の実学―経営と会計』(日本経済新聞出版

https://www.amazon.co.jp/dp/4532190061

 

稲盛さんが考える「会計の7大原則」。

 

今回の動画で取り上げられているのは「ガラス張りの経営」についてです。

 

会社が置かれている状況を「ガラス張り」のように、社員の方々にも

わかるように開示して経営を進める。

 

稲盛さんはこれを7大原則の一つとして挙げておられるのです。

 

今回は、この「ガラス張り経営の法則」についての解説に加え、

コヴィー博士の思想も交えて、ご紹介していきましょう。

 

稲盛さんは京セラを創業以来、社員との信頼関係に基づいた経営を

心がけてきた、と本書で書かれています。

 

中小企業だった京セラが厳しい競争を勝ち抜いていくために不可欠なこと。

 

それは、経営者と社員が固い絆で結ばれ団結していることだった、というのです。

 

そのために必要なことは会社が置かれている状況を包み隠さず

社員に伝えることだと稲盛さんは考えました。

 

「ガラス張り経営」を進めていくと自ずと経営者がどう考え、

どう動いているかが社員からも見えるようになります。

 

稲盛さんは常々

「会社は決して経営者の私的な利益を追求する道具ではない」

とおっしゃいます。

 

経営者は率先垂範して会社経営の目的、つまりは

従業員一人ひとりが物心両面の幸福を得ることと

人類社会の発展に貢献することを目指すべきである。

 

この目的を実現するためには仲間と協力しなければ不可能でしょうし

協力を得るためには、自社が何を目指すかという方向性を共有する必要がある、というのです。

 

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稲盛さんの事例を『7つの習慣』で読み解くと

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『7つの習慣』の著者であるコヴィー博士は

「リーダーシップ4つの役割」という考え方を

著作『第8の習慣』の中で紹介しています。

 

この4つの役割の中にある「模範を示す」という項目は

稲盛さんが言う「ガラス張り経営」と非常に重なる部分が多いのです。

 

コヴィー博士は、模範を示すことはリーダーシップにおいて

最初にすべきことであり中核をなすものである、と言います。

 

大半の社員にとって、会社の理念やミッションステートメントなどが

「自分事」になっていない・・・

というケースが多々あると思います。

 

では、経営者はいかに理念や方針を社員に浸透させていけばよいのか。

 

その答えがまさに「模範を示す」こと。

 

模範となるリーダーを見て、社員たちが信頼できると思えば、

会社の理念やミッションステートメントを「自分事」として捉え、

取り組めるようになるはずです。

 

いかに素晴らしい理念やミッションステートメントがあったとしても

リーダーが模範を示していなければ、

あるいはリーダーを社員が信頼できていなければ

社員は「自分事」として取り組むことはできない。

 

コヴィー博士はこう説かれています。

 

これはまさに、稲盛さんが「ガラス張り経営」を進める上で

重要なことは経営者の率先垂範であると説明したことに繋がるでしょう。

 

言い換えれば、稲盛さんは「ガラス張り経営」を進めていくことで

率先垂範、模範を示さざるを得ない状況に自らを追い込む、

ということを自ら意識的にされていたのかもしれません。

 

『7つの習慣』の言葉を引用するならば、まさに「インサイド・アウト」。

 

自らが変化を起こしていくことで周囲にも影響を与えていく。

 

これこそが「ガラス張り経営の法則」の

重要なポイントと言えるのではないでしょうか。

 

しかし、稲盛さんは「ガラス張り経営」を進めるには

率先垂範、模範を示すだけでは足りない、と、本書で解説されています。

 

次回は、その内容を詳しくご紹介します。

 

7つの習慣アカデミー協会では引き続き、

『7つの習慣』の視点から稲盛経営哲学を解析・解説する動画を

配信してまいります。

 

ぜひ、これからの動画にもご期待ください。

 

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<動画ナビゲーターのご紹介>

 

一般社団法人「7つの習慣アカデミー協会」

認定コンサルタント

廣瀬 公尚(ひろせ まさなお)

 

稲盛さんの母校・鹿児島大学「稲盛アカデミー」で、

生前の稲盛和夫氏から直接、指導を受ける。

 

その後、盛和塾所属経営者の人材育成研修会社で

人材育成マネジメントに関するコンサルティング、

コーチング、研修提供を10年以上担当する。

 

「7つの習慣アカデミー協会」

代表理事・斎東亮完と出会い、法人研修講師、

協会認定コンサルタントとしても活躍中。

 

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■「稲盛和夫の実学―経営と会計」vol.4

一般社団法人「7つの習慣アカデミー協会」認定コンサルタント 廣瀬 公尚(ひろせ まさなお)

鹿児島大学「稲盛アカデミー」で、生前の稲盛和夫氏から直接、指導を受ける。
その後、盛和塾所属経営者の人材育成研修会社で人材育成マネジメントに関するコンサルティング、コーチング、研修提供を10年以上担当する。

「7つの習慣アカデミー協会」代表理事・斎東亮完と出会い、法人研修講師、協会認定コンサルタントとしても活躍中。

暖かい人柄と、豊富な人材育成研修の経験から、管理職研修、新人研修などの階層別研修から、企業理念・教育制度・人事制度構築などをすすめる、「人づくり」の専門家です。

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