今回ご紹介する 稲盛和夫さんの著作

『誰にも負けない努力』(PHP研究所)

https://www.amazon.co.jp/dp/4569842518

 

経営者のみならず、企業の管理職や
組織のリーダー、マネージャー、そして
これからリーダーになろうとする方に向けて
書かれている本書。

 

稲盛さんは成功し、慢心した時ほど
努力を怠り、衰退に向かっていくと
警鐘を鳴らしておられます。

 

では、経営者、リーダーは
どういった努力をするべきなのか。

今回はその疑問に対する
稲盛さんの答えをご紹介していきましょう。

 

ヘリコプターはプロペラを回し続けなければ
重力に逆らって空中に浮き続けられず
墜落してしまう。

 

会社で言えば、努力を続けなければ
いつしか売上が下がり、倒産する。

 

稲盛さんはこれと同じように
心のレベルを維持することを
常に意識している、と言うのです。

 

では、心のレベルを上げるには
どうしたらいいのか。

 

稲盛さんは、こんな例を挙げて説明します。

 

皆さん、どんな良い本を読まれていても
おそらく何度も読み返しておられることは
ないと思うのです。

 

しかし、素晴らしい人生を送った人は
一冊の本をボロボロになるまで読んでおられる。

 

どんなに立派な人でも
繰り返しの反省がなければ、それを持続できない。

 

どれだけ素晴らしい本を読んで感銘を受けても
心のレベルが「上がったまま」にはならない。
その瞬間に上がっただけだと稲盛さんは言います。

 

本を何度も読み返すように
自分の言動を繰り返し反省し、顧みてみる。

 

そういう習慣を持つことが大切であると
本書では説いているのです。

 

一時期は成功を収め、立派な経営者になった方が
しばらくすると姿を消してしまうことがある。

 

それは慢心が出て、心を高める努力を怠ると
慢心が社内にはびこり、企業は衰退する。

 

自分も怠けてしまうことがある、と
稲盛さん自身も本書で書かれています。

 

稲盛さんほどの方であっても
怠けてしまい、自分に値打ちがなくなる
危機感を感じることがあるというのです。

 

稲盛さんが言う「心を高める」あるいは
「人格を高め続ける」ことの重要性について
『7つの習慣』の著者であるコヴィー博士は
どのように考えられていたのでしょうか。

 

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稲盛さんの事例を
『7つの習慣』で読み解くと
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稲盛さんが言う「努力を重ねる」とは
コヴィー博士が『7つの習慣』の中で説いた
「刃を研ぐ」ことと通ずるものがあります。

 

成果を出す上で最も重要な資源である
自分の能力や考え方を磨き続ける。

 

そのことによって、永続的に
成果を出し続けられる自分であり続けることが
重要である、とコヴィー博士は言います。

 

では「刃を研ぐ」とは具体的に
どのようなことに取り組むべきなのか。

 

『7つの習慣』の中では、次の4項目が
挙げられていました。

 

「肉体的側面」は、読んで字の如く
自分の肉体、健康面のこと。

 

「知的側面」はスキルや能力、
情報のアップデートといったことです。

 

「社会・情緒的側面」は
会社の同僚や上司、あるいは顧客
仲間やご家族といった方々との
関係性を大切にすること。

 

『7つの習慣』では「信頼口座への預け入れ」
という表現をしていました。

 

最後に「精神的側面」。

 

これはまさに、稲盛さんが
「心のレベルを上げる」とおっしゃっていたことと
相通ずるものがあると言えます。

 

精神的側面はあなたの核であり、
中心であり、価値観を守り抜こうとする意志である。

 

そうコヴィー博士は説明しています。

 

自分自身の人生をどう豊かにしていくのか。
どういう人生を送り、何のために生きるのか。

 

これはまさに個人の人生における「経営」です。
自分の人生を経営する、言い換えるならば
自分の人生に対してリーダーシップを発揮する。

 

そういう意味で「精神的側面」は
非常に重要な要因であると言えるでしょう。

 

稲盛さんもコヴィー博士も
その方の立場や役職に関わらず
自分自身の人生をどう送っていくのかを
常に顧みて、高め続けていくことの大切さを
説いておられたのだと思います。

 

それでは、今回はここまで。

 

次回も、稲盛経営哲学を
『7つの習慣』の考え方を通じて
深堀りしていく動画をご紹介します。

 

ぜひ、お楽しみに。

 

■「稲盛和夫の誰にも負けない努力」vol.7

一般社団法人「7つの習慣アカデミー協会」認定コンサルタント 廣瀬 公尚(ひろせ まさなお)

鹿児島大学「稲盛アカデミー」で、生前の稲盛和夫氏から直接、指導を受ける。
その後、盛和塾所属経営者の人材育成研修会社で人材育成マネジメントに関するコンサルティング、コーチング、研修提供を10年以上担当する。

「7つの習慣アカデミー協会」代表理事・斎東亮完と出会い、法人研修講師、協会認定コンサルタントとしても活躍中。

暖かい人柄と、豊富な人材育成研修の経験から、管理職研修、新人研修などの階層別研修から、企業理念・教育制度・人事制度構築などをすすめる、「人づくり」の専門家です。

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