『考え方 人生・仕事の結果が変わる』(大和書房)
稲盛さんが、仕事においてポジティブな成果を出すために大切な考え方として挙げた2つの言葉。
それは「明朗」と「進歩」でした。
しかし「明朗」も「進歩」も、
困難な状況に置かれている状況や、絶望の淵に追いやられている状況では、
そういう考え方を持つこと自体が苦しくなってしまったり、
あるいは、そういう考え方になれない、自分を責めてしまう・・・
ということがあるのではないかと思います。
そんな時は、この稲盛さんの考え方をより深く理解するために、
『7つの習慣』を手にとっていただくことをおすすめしたいのです。
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稲盛さんの事例を『7つの習慣』で読み解くと
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フランクリン・コヴィー博士は
『7つの習慣』の中で「パラダイムの力」について言及しています。
人間は誰しも、自分は物事をあるがままに、客観的に見ていると思ってしまいがちではないでしょうか。
しかし、実際にはそうではないとコヴィー博士は断言します。
私たちは
「世界をあるがままに見ている」
のではなく
「私たちのあるがままの世界を見ている」
自分自身が条件付けられた状態で、世界を見ているのだといいます。
その「物事の見方」をコヴィー博士は「パラダイム」と表現しています。
そして、パラダイムと人格は密接な関係にある、とコヴィー博士は指摘します。
在り方を変えずに見方を変えることはできない。その逆もまた然りだ。
そして、自分の頭の中にある思い込み、
つまり「パラダイム」の影響を自覚・理解すると
自分のパラダイムに責任が持てるようになる。
とコヴィー博士は言います。
私たちの人生は、選択の連続です。
どんな「考え方」「パラダイム」を採用するかは、自分自身で選ぶことができます。
そして、何を選択するかによって、得られる成果・結果は大きく変わります。
稲盛さんの言う「考え方」
コヴィー博士の言う「パラダイム」
自分がどんな物事の見方をしているかをしっかりと自覚して、目の前の問題を見る。
このことが、自分の結果・成果を好転させていく上では重要である。
お二人が伝えたいことは、こういう点で共通しているのではないかと感じます。
すなわち、稲盛さんが力説する
仕事の成果をあげる「2つの考え方」である「明朗」と「進歩」
災いが降り掛かってきたとしても、苦しい状況にあるとしても
「成長できるチャンスをいただいた」と感謝したり、明るい未来や、発展すると信じる「明朗」のパラダイム。
何かを成し遂げる人は困難にぶち当たった時でも努力さえすれば必ず解決できる、と楽天的に可能性を信じている。
一瞬のためらいも、一分の疑問もなく、無限の可能性を信じ、努力すればいいだけ、と信じ込む。
そういう人だけが、壁を突破していく「進歩」のパラダイム。
「明朗」と「進歩」。
この二つのパラダイム(大前提)が、仕事の成果を上げていくのです。
■「考え方」vol.4
鹿児島大学「稲盛アカデミー」で、生前の稲盛和夫氏から直接、指導を受ける。
その後、盛和塾所属経営者の人材育成研修会社で人材育成マネジメントに関するコンサルティング、コーチング、研修提供を10年以上担当する。
「7つの習慣アカデミー協会」代表理事・斎東亮完と出会い、法人研修講師、協会認定コンサルタントとしても活躍中。
暖かい人柄と、豊富な人材育成研修の経験から、管理職研修、新人研修などの階層別研修から、企業理念・教育制度・人事制度構築などをすすめる、「人づくり」の専門家です。