今回ご紹介する 稲盛和夫さんの著作

『従業員をやる気にさせる7つのカギ』(日本経済新聞出版社)

https://www.amazon.co.jp/dp/4532319110

 

稲盛さんは、

まずは自分自身の見方、従業員を「どう見るか」こそが相手のやる気を引き出すために重要である

本書の中で説かれています。

 

「7つの習慣」の考え方で言い換えるならば

まさに「インサイド・アウト」が重要であるとも言えるかもしれません。

 

今回も、稲盛さんが語る「従業員をやる気にさせるためのカギ」について

ご一緒に学んでまいりましょう。

 


 

稲盛さんが説く、

従業員のやる気を引き出す方法の2つ目は、「従業員に心底惚れてもらう」ことです。

 

稲盛さんは、経営者は従業員と心から感動できる、

心と心で結ばれた人間関係を作ることに努めなければならない、と言います。

 

 

では、どうしたら「従業員に心底惚れてもらう」ということができるのでしょうか。

 

稲盛さんは、こう説明します。

 

己ばかりを愛していたのでは、誰も惚れてくれません。

己を虚しくして、自己犠牲を払い、従業員を最優先に考えるのです。

 

そうしてあげるから、みな惚れ込んでくれるのです、と。

 

 

従業員との関係を考える上ではまず自分ではなく、相手を優先する。

自己犠牲を払うくらいの気持ちを持つことで従業員から心底惚れてもらい、

さらには、やる気を引き出すことができる、というのです。

 

 

実は、これと同じことを「7つの習慣」の著者であるフランクリン・コヴィー博士も

著作の中で書かれていますので、ご紹介しましょう。

 

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稲盛さんの事例を『7つの習慣』で読み解くと

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コヴィー博士は従業員や仲間との信頼関係を作ることについて、

次のように述べています。

 

世界中の仕事のほぼ全ては人間関係、あるいは、組織の中で行われている。

しかし、そこに信頼がなかったら

まるで地雷原を歩くかのように、まともなコミュニケーションは取れないだろう。

と、著作『第8の習慣』の中で述べています。

 

コヴィー博士は「信頼のスピード」という表現をしますが、

信頼関係があれば、それがさまざまなスピードをもたらす、と

説明しているのです。

 

例えば、

信頼関係ができていれば話はスムーズに進み、

意識せずとも伝えたいことが相手に正確に伝わる。

そして、信頼関係があれば、失敗を許され、忘れてもらうことができる。

 

このように説明するのです。

 

信頼関係が育まれていることが

結果的に仕事での生産性、パフォーマンス、業績や成果を生み出すスピードに大きな影響を与えている。

 

 

逆に、信頼関係がなかったとしたら、

その職場では地雷原を歩くかのように、言ったことが十分に伝わらなかったり、

相手の機嫌を損ねるようなことを言って無用の軋轢を生んでしまったりする。

 

 

いろいろと気を使いながらコミュニケーションを取らなくてはならない。

そんな状況に陥ってしまうわけです。

 

 

生産性を上げ、大きな成果を出すためには相手との信頼関係が必要

と、コヴィー博士は断言されているわけです。

 

 

そして、

信頼関係を築くためには利己的にならず、謙虚であること。

 

自分よりも相手を優先しようとする態度、あるいは原則や、

より崇高な目的に自分自身を従わせる意志を持つこと。

 

と、コヴィー博士は言います。

 

自分のエゴや気持ち、感情、自己中心の考え方を脇に置く。

自己犠牲を払う気持ちを持つ。

 

それがあるからこそ、

相手との信頼関係が強固になり、生産性を上げて高い成果を上げることができる。

 

まさに、稲盛さんが書かれていることと一致していると言えるのではないでしょうか。

 

テクニック的に従業員のやる気を出させたりコミュニケーションを円滑にするのではなく

真摯に相手のことを優先し、エゴを外して信頼関係を構築すること。

 

従業員のやる気を引き出すためには、そういった土台から始めることが大切なのです。

 

 

「従業員をやる気にさせる7つのカギ」vol.2

一般社団法人「7つの習慣アカデミー協会」認定コンサルタント 廣瀬 公尚(ひろせ まさなお)

鹿児島大学「稲盛アカデミー」で、生前の稲盛和夫氏から直接、指導を受ける。
その後、盛和塾所属経営者の人材育成研修会社で人材育成マネジメントに関するコンサルティング、コーチング、研修提供を10年以上担当する。

「7つの習慣アカデミー協会」代表理事・斎東亮完と出会い、法人研修講師、協会認定コンサルタントとしても活躍中。

暖かい人柄と、豊富な人材育成研修の経験から、管理職研修、新人研修などの階層別研修から、企業理念・教育制度・人事制度構築などをすすめる、「人づくり」の専門家です。

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